骨盤底筋ケアエクササイズとは

About Exercise

フランス発、骨盤底筋ケア

近年、フランスでは周産期の女性のペリネケアへの意識が高まっています。

ペリネ(Périnée)とは骨盤底筋群をふくむ骨盤底全体のこと。この部分を訓練することで弱った産後の骨盤低筋群の力を回復させ、産後の尿もれや性器脱、性交痛などを予防します。フランスではペリネケアのためのリハビリ施設が一般的に普及しており、産後のペリネのリハビリは常識となっています。

日本でも周産期の女性に限らず、頻尿、尿もれ、頑固な便秘、子宮脱など人には言いずらい悩みをかかえる女性は多く、これまで具体的な予防策はありませんでした。

ガスケ・アプローチ

Méthode de Gasquetのエクササイズはフランスで注目されるペリネケアで、ヨガ指導者でもあるフランス人Bernadette de Gasquet(ベルナデット・ド・ガスケ)医師(医学博士)の構築した「ガスケ・アプローチ」です。

人体に備わった生理的な機能を尊重し、その働きを助長するというのがガスケ・アプローチの特徴で、その中心にあるのがペリネです。「ガスケ・アプローチ」は、伝統的叡智と現代医学の架け橋として周産期の現場に取り入れられているだけでなく、骨盤底の保護、背部や腰部の痛み、排泄の問題、腹筋運動など多彩な分野でその進化が認められつつあります。具体的には代謝や姿勢、便秘の改善、腰痛改善、リラックス効果があるなど、女性の健康を考える上で外せないものとなっています。

今日、日本でもこのペリネケアが少しずつ広まりを見せ、助産師界などで注目され始めています。

勿論、ガスケ・アプローチの腹筋運動やストレッチは姿勢改善効果も高く、生活習慣病でお悩みの方や、女性よりも身体が硬い男性、アスリートにも効果的なエクササイズです。

正しい呼吸と正しい姿勢

Méthode de Gasquetで行うガスケ・アプローチのレッスンは、身体に負荷をかけないインナーマッスルエクササイズです。正しい呼吸と姿勢がペリネを保護、リラックスした身体と心を作り、疲れを貯めにくい生活習慣へとつながります。

正しい呼吸

意識的に息を吸おうとすると、呼吸の動きはとかく「反対」になりがちです。例えば、立位や座位いなるとたちまち呼吸は胸式呼吸になってしまいます。

自分ではそれが自然な呼吸のように思えても、実際には生理的な腹式呼吸で見られるような、「吸息で腹部がふくらんで横隔膜が下降し、呼息で腹部がへこんで横隔膜が挙上する」という動きとは反対の動きです。

その理由は、単に正しい姿勢をとっていないからにほかなりません。姿勢のとり方次第で呼吸は変わります。背中を伸展させた座位や正確な距離を保った四つん這いなら、無意識に無理のない生理的な呼吸をするのは簡単なことです。

大切なのはどんな姿勢であろうと、まずは身体を伸展させること、そしてどんなときでも、息を吐く事からスタートすることです。

 (参考資料:妊娠・出産でもっと輝く 女性のからだのケアガイド P6より)

正しい呼吸のための原則


原則その1  息をはくことからスタートする。呼吸の初めにまず胴体下部にある腹筋帯をしっかりと引き締めて腹腔内蔵機器を挙上させ、空気を流出させます。


原則その2  吸息は空気が自然に流れ込むこと。息を吸うのに力はいりません。握っていたスポンジを放すように、腹部の力を抜けば空気は自然に流れ込んできます。


原則その3  重力に抵抗する。他の哺乳動物に呼吸や背部にかかわる問題がないとすれば、それは四つんばい姿勢のおかげです。人間は直立姿勢をとることで重力というひとつの障害を背負い込みました。重力がもとで起こる諸問題を悪化させることなく、その影響を最小限に抑えるためには、重力を同化することが大切です。


ペリネに圧力をかけないためには、ペリネをまず収縮させてから息を吐くことです。四足動物とは対照的に人間のペリネは呼吸に合わせてひとりでに動くようにはできていません。だからこそ、ペリネを呼吸器系の一環に組み込む必要があるのです。ペリネを強化し、その柔軟性を高め、さらに予防のための条件反射を身につけるには、できるだけ早い時期からこうした訓練を開始する必要があります。

腹部が引き締まるような動作では、その都度、あらかじめペリネを挙上することや、力全体を下から上に向けることが重要です。

 (参考資料:妊娠・出産でもっと輝く 女性のからだのケアガイド P8~9より)